お疲れ様です。竹重です。
現在日経先物は前日比-480円の22650円となっており、月曜日はオープンからギャップダウンの様相です。
マーケットではどうも新型肺炎の下げは一時的であるという風潮が強いようで、日経新聞などでも「ここは押し目拾いのチャンス」というような文脈の生地が出ています。
「有事」が誘う静かな買い 新型肺炎、つれ安銘柄を物色(日経新聞)
しかし、私の前回のyoutube動画でも一部お伝えしましたが、私としては今回の下げは一過性にとどまらない数か月の下落につながる可能性があるとみています。
その理由としては、
・新型肺炎はSARSの時点ですら収束に数か月以上要しており、現在の中国の交通網の発達により明らかに拡大はそれ以上のものとなること
・FRBがどうも金融緩和に積極的ではないこと
の2点です。
1点目は前の動画でもお伝えしましたが、タイミング的に春節であったこともあり、また中国の方が旅行を楽しめるようになってきているということが重要です。実際被害者数も日を追うごとに更新されており、2/1現在では1万人を超えました。
救いとしては、依然として致死率が上昇していないことです。
中国本土、新型肺炎の感染1万1000人超 死者は259人(日経新聞)
報道によれば、死者数は当初の2~3%をまだ超えてきておらず、SARSの10%には遠く及びません。このことから、SARSよりもひどいことになると過剰に不安視することはないと思います。
しかしながら短期では、中国市場がオープンしていないこともあり、香港、台湾が激しく売られており、地政学的な観点からも日本だけが無傷でいられるというのはあまりに楽観的でしょう。
2点目は、前回のFOMCにて、パウエル氏が
「FRBの準備預金は最低でも1兆5千億ドル(約160兆円)を維持する必要がある」という趣旨の発言をしたことです。
FRB議長「貿易の不確実性は減った」 会見要旨(日経新聞)
(ちなみに記事内では該当箇所について、いきなり「バランスシート」という発言になっていますが、前後の文脈からこれは準備預金のことと思われます)
これまでの動画でも、「FRBは2020年は金融緩和も金融引き締めも行わないニュートラルな姿勢をとるようだ」という旨の情報発信を行ってまいりましたが、ここでまた、「維持」という中立的な文言が出てきたわけです。
もちろん、急激な金融引き締めということでもありませんので、リスク資産の急落といったショック相場にはならないでしょうが、これまで金融緩和期待で上昇してきたマーケットにとっては調整を余儀なくされます。
そうなると、やはり今後は、業績相場への移行という可能性が高まりますし、これまで金融緩和期待で投じられていた分の資金は移動しなければならないですから、調整はやや中期的なものになるでしょう。
今回の日米決算とも、株価の反応は二極化しており、ファンダメンタルズの観点から、全体、あるいは個別とも、良化が見られるまでは、軟調な相場が続くのではと思います。
いかに良好な決算であった銘柄をピックアップしておくかがカギになるでしょう。
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