日本時間の3/16早朝、米FRBが緊急のFOMCを開き、1.0%の緊急利下げに踏み切りました。
また、同日日本の日銀も、前倒しで日銀会合を開き、ETF購入額の拡充を決めるなど動きを見せました。
にもかかわらず、NYダウ、日経先物ともに下げ幅を広げるという形で失望を表しています。
もちろん、新型コロナウイルスと、これによるヒト、モノの停滞は著しいものがあり、すでに先行してコロナウイルスが拡大していた中国の景況感はかなり落ち込んでいます。
しかし、市場の反応を見ていると、下げの原因はこれだけではなさそうです。基本的にこのような伝染病の類での下落は、いずれワクチンが開発されるなどして、改善に向かうことが明白ですので、それを織り込んでいくものですが、この動きが見られません。
現在の市場で私が最大のネックと感じているのは、前回ブログでも取り上げた「ロシア・サウジ」の原油増産合戦が引き起こしている原油安、ならびにこれをきっかけとしたハイイールド債、ジャンク債の下落です。
日経平均とNYダウ、リーマンショック以来の大幅下落! 要因を整理(前回記事)
災害ではないこの争いのほうが、コロナウイルスと異なり時間によって沈静化できないであろうことは皮肉なことです。サウジアラビアは原油安に最も耐えられることから、自主的に増産の手を緩めることは考えにくく、ロシアも強硬姿勢を崩しておりません。この記事を書いている3月16日 20時時点では、原油価格は30ドルを割り込んできています。また、コロナウイルスにより、アメリカがEU渡航禁止を打ち立てたり、ドイツも国境封鎖に踏み切るなど、そもそもの移動量が減っているため、その燃料である原油の需要も減っているという問題もあります。
原油安が続く限り、アメリカのシェール企業の破綻リスクを常に意識せざるを得ません。アメリカがこのリスクにどう対処するかで、値動きが落ち着くかどうかが決まるでしょう。コロナウイルス関連のニュースと合わせて、原油関連のニュースにも気を配っておきたうところです。
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